Q&A 皆様のご質問にお答えします
Q1.企業の債務者区分とは、どのようなものですか
A:金融庁は各金融機関に対し、債務者に対する債務者区分の付与を指示しています。
「正常先」「要注意先」「破綻懸念先」「実質破綻先」「破綻先」の5段階です。金融機関によって定義が若干違いますが、このうち不良債権と称される区分は「要注意先」以下と見做すのが妥当です。
また、金融機関毎やその業態によって異なりますが、倒産のリスク対応のため貸倒引当金を「要管理先」は50%程度、「破綻懸念先」70%程度、「実質破綻先」や「破綻懸念先」は場合によっては100%程度を計上しているようです。
このため融資を受ける企業は、先ず金融機関の債務者区分を意識しなければ、融資をスムースに受けることはできません。
Q2.金融機関から見た金融円滑化法はどのような取り扱いになっているのでしょうか
A:平成21年12月に出来た法律で、厳しい経営状況にある中小・零細企業の事業主の方々や住宅ローンの借り手を支援するため、元本の「返済猶予」を受けることができる法律です。全国の30万企業から40万企業がこの法律の適用を受け、経営改善や事業の見直しを行う時間が与えられたと言われています。
この制度を金融機関から見ると、リスケ企業は本来融資が困難な債務者区分の「要管理先」に区分されてしまいます。(要管理先とは要注意先区分の中の一部を指し、3か月以上の延滞や融資条件を緩和されている債務者のことです。)しかしこの法律により、場合によっては一時的に融資も可能な「その他要管理先」の扱いとした金融機関が多かったのが事実です。
一方、平成25年4月以降の金融円滑化法の終了後は、本来の「要管理先」とする金融機関が増えている模様です。そうなると、再リスケや追加融資が受けられない恐れがあります。元本返済が始まると資金繰りが悪化して経営が困難になるような場合は、「経営改善計画」を策定の上、融資を受けている全ての金融機関から同意を得る必要があるということです。
Q3.金融円滑化法の終了後もリスケが続いていますが(平成26年3月現在)
A:政府は、平成25年3月の金融円滑化法の終了後も、景気の浮揚策と倒産防止の観点から、リスケ企業に対しすぐに元本返済を求めないよう行政指導をしてきました。このため、リスケを行った企業経営者は、以前と変わらないので「緊迫感がない」と言われていました。
しかし、日本経済新聞3月19日の報道では、金融庁は、返済猶予から転換し中小企業の転廃業を促す方針が出されたため、今後、金融機関の対応が厳しくなることが予想されます。
Q4.経営改善計画書はどのようなものですか
A:通常顧問税理士に依頼して作成している財務諸表は、会計基準に基づいた制度会計で作成されています。
ところが、販売できない不良在庫、回収できない売掛金、解約できない定期預金等がある場合、制度会計から導きだされるキャッシュフローと実体のキャッシュフローとは違う場合が生じます。
金融機関は実体キャッシュフローを重視するため、実体の財務内容(財務DDを行うことが必要)を求めています。また、経営者が売上の向上や収益を改善するため、どのような経営方針のもとに経費削減や新商品・新サービス開発、販路の開拓などの経営努力をするのか、事業計画(事業DDを行うことがが必要)を求めます。
これらを計画書に盛り込んだものが、「経営改善計画」です。
Q5.モニタリングとは、どのような内容ですか
A:経営改善計画は、これから経営改善を行う方針書です。計画が予定どおりに実績が推移しなければ、経営状態は改善されません。金融機関はそこを最も気にしています。
このため、計画を作成した認定支援機関による支援(年4回ほどの定期的なチェック)の下、計画と実績の乖離、そして未達の要因等を分析して金融機関に報告することになります。
今後も諸々の世の中の激しい環境変化が予想されます。良い時ばかりではないはずです。また、そもそも企業は生き物です。経営者のみならず、社員の世代交代も必要です。そこで計画に対する実績が上下に振れたりする場合、金融機関に対して返済額やその期間を適時適切に依頼しなければなりません。これを円滑にアドバイスすることが認定支援機関の役目です。
尚、このモニタリング費用も国から補助金を受けることができます。
Q6.経営革新等支援機関(認定支援機関)とはどのような機関ですか
A:中小企業支援を行う支援事業の担い手の多様化・活性化を図るため、平成24年8月に「中小企業経営力強化支援法」が施行され、中小企業に対して専門性の高い支援事業を行う経営革新等支援機関を認定する制度が創設されました。
認定制度は、税務・金融及び企業財務に関する専門的知識や支援に係る実務経験が一定レベル以上の個人、法人、中小企業支援機関等を経営革新等支援機関として認定することにより、中小企業に対して専門性の高い支援を行うための体制を整備するものです。
経営改善計画の策定を支援する機関として、金融機関や税理士、公認会計士、中小企業診断士、弁護士等の専門家などに、国が研修を行い「経営革新等支援機関」として認定しています。平成26年に入ったところで、全国では約2万人超の専門家が認定を受けています。
Q7.経営改善計画策定の推進のため国の補助金制度があると聞きましたが
A:認定支援機関が作成し経営改善支援センターが認可した経営改善計画書に補助金がおります。
補助金は、経営改善計画の作成とモニタリングを含みます。国では、モデルパターンを3つ想定しています。
| 〇小規模 | 売上1億円未満かつ有利子負債1億円未満 |
| 計画策定費用100万円以下、2/3補助 | |
| 〇中規模 | 売上10億円未満かつ有利子負債10億円未満(小規模を除く) |
| 計画策定費用200万円以下、2/3補助 | |
| 〇中堅以上 | 売上10億円以上または有利子負債10億円未満 |
| 計画策定費用300万円以下、2/3補助 |
*国は平成26年度にこの補助事業に405億円の予算計上を行っています。
Q8.経営改善計画に国の補助金を得るための条件はありますか
A:「経営革新等支援機関」が策定した経営改善計画を融資した全ての金融機関からの同意が必要です。同意がないと補助金を受けることができません。
当然ながら、金融機関からの再リスケや追加融資を受けることも出来ません。
Q9.リスケをしていない会社でも補助金の申請は認められますか
A:平成25年12月13日の運用見直しで、条件変更をしていなくても対象になりました。
また、新規融資を含めることも対象となりました。但しその場合は、金融機関からの「財務上の問題を抱えている」、「当該融資が真に申請者の経営改善・事業再生に必要な範囲での融資である」旨の確認書面が必要となります。
Q10.自社の債務者区分を知ることはできますか
A:金融機関は、査定した債務者区分を先ず間違いなく融資企業に開示しません。
融資を望む企業としては金融機関の自社の融資の基準は知りたいところです。但し認定支援機関の税理士や経営コンサルタント等により、決算書等から大凡の格付けを推定してもらうことが可能です。但し決算書だけでは完全な推定が不可能です。金融機関は決算書以外の定量項目でも債務者区分を付与しています。



















